開発:高硬度金型     

                                                                                                                                      English-home  Japanese-home   トピック:高硬度材の切削加工開発中

                                 Jan.2018 renewal

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A:開発目標・・・HRC60の切削加工での金型製作

  1:グラスファイバーの含有量の高い樹脂・新開発エンジニアリングプラスチックに対応できる高硬度   焼入れ鋼材を使った金型を切削加工で達成し、高精度を追求する。
 2:目標硬さはHRC50〜60とし、鋼材の特長を生かした提案が出来るように進める。
 3:2019年4月のインターモールドに公開し、ユーザー様との用途に対する連携も重要だと考えています。

B:当社の金型の製品部硬度の現状

プラスチック金型は従来HRC13〜40の炭素鋼からプレハードン鋼が主流です。
我々の会社もその範囲がほとんどで、カジリ防止目的での表面処理を追加しているのが実情です。
当社でもSKD61の焼入れ型でHRC46程度までの切削加工での実績はありますが、それ以上の硬さに対しては放電加工での実績しかありません。
確かにコネクタ等の焼入れ研摩が中心の高硬度金型はありますが、それとは違う方向だと思います。

C:2017年の開発進行実績

2017年6月より準備を開始しました。金型材料の選定・切削工具の選定・加工条件の追及・熱処理の知識吸収・CADCAMデータ作成・新規工場設置マシニングセンターV56iでの対応準備等々です。

今回の目標として

 ○ 鏡面ミガキが出来てHRC5060の硬さの鋼材を切削加工で金型の製品部を完成する

 ○ その切削面粗さと加工精度が±0.01mm・オスメス勘合が手仕上レスを狙うこと

1−1:社内で高硬度金型材料の選定

  大同特殊鋼・日立金属工具鋼・ウッデホルム・住友金属工業等を調査 相談・入手し易い大同特殊鋼・日立金属工具鋼から材料を選定する。焼入れ調質後HRC50-60の設定・プラスチック金型で必要な鏡面性を含めて材料を選定。メーカーと入手性も考慮し 日立金属 “HPM31” 大同特殊鋼“PD613”を選定した。

 

鋼材名  硬さHRC

用途

 

日立 SCM44

HPM7    33

現在主要プラ型材

現状比較のために切削

大同 SKD11

PD613   58—-62

高硬度・高鏡面プラ型材

HRC60切削試験用

大同 SKD61

DHA1    48--53

ダイカスト金型用

 

大同 SUS

S-Ster  50--53

ステンレス系プラ型材

 

日立 SKD11

HPM31   54--58

高硬度・高鏡面プラ型材

HRC50,55切削試験用

日立 SKD61

DAC     48—52

ダイカスト金型用

 

日立 SUS

HPM38   48--52

ステンレス系プラ型材

 

 

 

 

 

 

1−2:工具の選定

  4月中旬にインターモールドに視察してきたときの情報で、OSG,ユニオンツール、NSツールの3社から工具の選定をすることとした。3社からの情報を取り寄せる中で、ユニオンツールが刃物の情報公開に積極的だったため、工具情報の提供をいただき、切削結果情報を共有することでお互いのメリットを得ることで、実現を早めることが出来た。

サンプルタイプ

材質 硬さ

切削工程

切削工具種類

切削工具形状

 Atype

HPM7 HRC33

第一工程

ユニオンHBシリーズ

R3*L10

第二工程

ユニオンHBシリーズ

R2*L6

第三工程

ユニオンHLBシリーズ

R1*L4

,C,D type

 

HPM31 HRC50

HPM31 HRC55

PD613 HRC60

第一工程

ユニオンHMSシリーズ

φ10*L22

第二工程

ユニオンHSBシリーズ

R5*L10

第三工程

ユニオンHSBシリーズ

R3*L6

第四工程

ユニオンHSBシリーズ

R2*L4

第五工程

ユニオンHSLBシリーズ

R1*R4

 

 

 

 

 

1−3:鋼材の焼入れ焼き戻し

   鋼材選定と共に焼入れ・調質方法を検討した。近隣のノボル鋼鉄鰍フ熱処理部門で相談し、”真空焼入れ“とした。今回の目的を説明し、採用を決めた材料に対して荒取りせずに焼入れ調質し、HRC50-55-60駒寸法 50mm*50mm*50mmの6面研摩駒を準備。

1−4:試験片のモデル作成

    三次元CADで加工のモデルを作成した。注意点として

(1)   サイズは50mm*50mmとし、最少形状RをR1とした。

(2)   オスメス形状を造り、仕上レスで上下合せを可能にした。

(3)   合せノックは制度が確認し易い四角形状とした。

(4)   モデルは三次元変形形状とした。

    社内の加工技術で3次元切削の加工データを作る事は十分な経験はあるが、高硬度材に対する。削り方や加工条件・工具選定を加味しながらモデル作成を行った。

2-1:加工実施報告

 2017年9月に通常使用しているHRC33,開発の高硬度HRC50-55-60の試験切削を行った。下記写真はHRC60の荒取り中仕上と、完成時の写真です。

2−2:実施の成果として

 超高硬度材の切削加工での製造結果について、上記報告内容のとおり試作品の加工は達成できました。従来はHRC46の焼入れ材料の経験しかなく、それ以上の硬さには踏み込めませんでした。 新しいエンジニアリングプラスチックの対応に向けて、HRC50-60硬さの切削加工での金型作りの加工が加工面品位の狙いも含めて達成することが出来ました。今後この硬さへの提案・採用に向けて前向きに検討が進む事ができると考えます。

 1:金型材料の選定

    金型材質の選定・焼入れ硬度等の整理が出来、お客様への高硬度材質へ提案が出来ます

 2:切削ツールと加工条件

   今回の結果として、これらの選定を経験してHRC60の加工が出来た自信は大きい。   確かに切削容量の大きい物に対して追加開発してゆかねばなりません

 3:製品寸法のネライ精度

    加工面測定の結果、ネライ値に対して±0.01mmで満足で来る誤差範囲です。    この硬さでの面精度をこの誤差範囲内であれば十分客先へ提案できると考えます。

 以上、今回の目標は達成でき、ユーザーへの一歩進めた提案が出来ます。 しかし、具体的な金型作成に関しては課題が残っています。“事業化に向けて”の項目で計画を明示します。

D:事業化に向けて

 (1) 市場調査の開始

1:今回の取り組み結果を当社のホームページ中に展開し、超高硬度切削達成を広める

2:現在顧客への展開と要望の収集

 (2) 追加開発

今回超高硬度切削加工の加工方法は確立は出来ましたが、実用に向けて、より幅広い可能性に向けて70mm*150mm*50(製品高さ)mm程度のモデルでの上記対応策を付加した金型オスメス駒サンプル・穴加工・セットネジを含めた実用の試作を検討し、展示できるように進めたい

1:より大きな形状に対する問題解決

・・・加工量への切削工具の耐久性・加工手順の検討

・・・荒取り切削加工の耐久性に問題があり、直接加工・荒取り後の焼きいれの判断基準

・・・より仕上げ加工量を減らすために放電加工による中仕上げ加工も検討する

・・・ダイジェットQMミルのチップ式荒取りの試作検討

2:突出し穴・セットネジ等のワイヤカット加工による穴仕上対応等、効率的な対応検討

・・・焼入れ前の加工・焼入れ後の加工に対する方法の提示

3:ステンレス系材料への切削問題把握

・・・錆に強いが難削傾向のあるステンレス系型材への工具・切削条件の策定

   4:CBNエンドミルによるより高精度・高光沢加工面の試作検討

   5:高硬度金型とその表面処理での強度アップの検証と提案

       ・・・樹脂の種類による表面処理の効果、耐久性と表面処理の再加工の可能性

 (3)          展示会参加

今後の自動車部品用の金型の受注を拡大する目的で、今回の高硬度材での金型製作を提案。2019年4月頃に実施予定のインターモールド(東京ビックサイト)への参加。

より大きな形状の加工物を展示できるように(追加開発“1”“4”)実用できる形を展示(追加開発“2”)。日本金型工業会のブースを借りて広く公開し、営業と販売展開・要望収集。展開の状況により、2020年のインターモールド”名古屋”開催に参加を計画する

    

 

 

 

 

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最終更新日 : 2017/12/26