第66回 東京近郊地区流星観測者会集会
日時 98年11月29日(日) 午後1時から5時
場所 国立オリンピック記念青少年総合センター
参加者数 55名 「しし座流星群」の直後であった為、会場に入りきれないほどの盛会であった。

発表内容
1.1998年 しし座流星群のまとめ 河合良徳氏
今年のしし群は流星雨にはならず、太陽黄経234.5度でZHR250(r=1.2)程度の出現に留まりました。この結果は電波観測や西アジアから東ヨーロッパにかけての観測から求められたもので、今まで言われていた極大(太陽黄経235.4度)よりも約20時間も早いものとなっています。
日本では通常極大の時間帯(18日4〜6時)に観測が行われましたが、わずかZHR130程度の出現になっています。結果的に太陽黄経234.5度で観測された突発極大はほぼ予想不可能で、また一つ流星天文学の謎と楽しみが増えることになりました。
2.1998年 しし座流星群のトピックス 橋本岳真氏
今年のしし群の主に海外からの情報を紹介されました。突発極大が観測された東ヨーロッパでは火球クラスの流星が多数を占め、日本の観測とはだいぶ異る形相だったようです。このことからIMOは光度比にr=1.2を採用していますが、日本の観測からはおおよそr=2.0が適正値であり、ZHRが観測にともなった値にならないと意見されました。
また流星とそれに伴う痕の色について話され、18日の4時13分に関東近辺で観測された火球とその痕の色についてアンケートをとりました。
| 見えた色 | 流星本体 | 流星痕(永続痕) |
| 緑 | 5 | 1 |
| 赤 | 0 | 1 |
| ピンク | 0 | 2 |
| 白 | 9 | 2 |
| 青 | 7 | 1 |
| 黄 | 3 | 1 |
| オレンジ | 1 | 10 |
| 紫 | 0 | 1 |
| 茶 | 0 | 3 |
| 不明 | 2 | 6 |
| 合計 | 27 | 27 |
3.1998年 しし群望遠鏡(双眼鏡)観測結果速報 殿村泰弘氏
殿村泰弘氏と渡辺忍氏の双眼鏡観測の結果報告。双眼鏡観測の結果では、明け方に向かうにつれしし群が増加していることが解ります。
また殿村氏は輻射点方向はあまり双眼鏡流星が出現しないようだとコメントされました。
4.ジャコビニ群としし群の両方を見て 岡安裕之氏
共に大出現が期待されていた二つの流星群を、それぞれの観測的特徴から比較検討されました。そしてジャコビニ群としし群では、地味と派手、暗いと明るい、遅いと早い、騒がないと大騒ぎと総評され、観測時間の楽なジャコビニ群の方が好きだとまとめられました。
5.1998年 ジャコビニ流星のまとめ 河合良徳氏
今年はジャコビニ流星群が13年ぶりに大出現すると予想されていた年で、ZHR900ちかい出現が観測されました。しかし予報されていた極大よりも4時間も早く(10/9日22時)、しかも出現は1,2時間しか続かなかった為、観測できなかった人もいたようです。
6.1998年 オリオン座流星群のまとめ 河合良徳氏
今年は極大付近の天候が優れず、極大日に近い観測データは報告されませんでした。その為顕著なピークは観測されませんでしたが、極大日の前後数日は、ZHR=20弱の例年並の活動が報告されています。

7.火球頻発!おうし北群 橋本岳真氏
今年はおうし群の活動期間が例年に比べて長いこと、またおうし北群と思われる火球が数多く観測されているという報告をされました。
8.伊能家星図 西山峰雄氏
伊能忠敬記念館にある星図を紹介されました。星座名は中国から伝来したものであり、全ての星に星名又は番号が記録されているそうである。
9.白昼の大出現か、それとも?1868年の記録から 渡辺美和氏
1967年に加美山ちか子さん(旧姓:須田ちか子さん)が目撃された、白昼のしし群流星?について、同様の現象が目撃されたことはないか、過去の資料から報告されました。それによると「弘藩明治−統誌珍事録」に類似したような現象が記録されていたが、さらなる資料等がないと正確なことは解らないということでした。
10.1998年 ふたご座流星群観測指針 岡安裕之氏
今年のふたご座流星群の観測良好時を過去の観測データの検討及び月の状況から解説されました。それによると、今年は12月13/14日の23時〜0時と、14/15日の21時から1時なら、HR30を越す出現が期待できるようです。 詳しくはこちら。
11.1999年 しぶんぎ座流星群観測指針 難波田康治氏
来年1月のしぶんぎ座流星群は生憎月の影響で観測条件としては最悪になっています。しかし、しぶんぎ群が木星の摂動を非常に受けていたり、まだ確認されていない母天体がヘールボップ彗星であるという説がもし正しかったとしたら、来年はたくさん出現すると考えられているそうです。詳しくはこちら。
12.スライド上映 駒沢満晴氏
今年のしし群からジャコビニ群、ヘールボップ彗星等のスライドを上映されました。特に「コスモスとジャコビニ流星」「ヘールボップと八甲田山の樹氷」が個人的にとっても気に入りました。
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