第75回 東京近郊地区流星観測者会集会
2001年9月9日、題記集会が東京都渋谷区の国立オリンピック記念青少年総合センターで開催された。台風の余波がある中、31人が出席し、以下の研究発表や紹介が行われた。昨年までのアッシャー予測実績に基づき、2001年しし座流星群への期待が高まる中で、同群の観測に関する話題が中心となった。また、東京理科大学・つくば大学などの学生パワーの目立つ集会となった。
1.自己紹介
2.2001ペルセウス座流星群観測報告
2−1 眼視観測報告 難波田康治
ペルセウス座流星群は一部で火球が多かったという意見もあったものの、全般的には平年並みの活動であったと推測される。
2−2 電波観測報告 小川宏
2001年のHROデータによれば、特に火球が多かっただろうことに対する裏づけは得られていない。例年並みの活動であった。
3.オリオン座流星群観測指針 芹沢寛隆
ししの前哨戦として観測したい。木星と土星の間から流星が飛ぶように見える。 10月はジャコビニ群に対する観測も忘れてはいけない。
4.研究発表
4−1.WWWと2001年しし座流星群 河合良徳
しし座流星群で参考になるウェブについて、検索エンジンを用いて調査した。流星関係では「しし」を、一般的には「獅子」を用いる傾向も見られ、キーワード検索には注意も必要。また更新がなされていないものもあり、参考にするには要注意。
4−2.日本に1866年しし座流星群の記録は何故ないか? 渡辺美和
日本に1866・67年のしし座流星群のそれらしい記録が一例しか無いことについて、天候の悪さのためではないかという仮説を、当時の日記に残る天候記録から再現し検証した。しかし、両年とも全国的には天候はよかったことがわかった。
4−3.5月うしかい座アルファ群と73P/SW3彗星関連群 橋本岳真
5月下旬〜6月のうしかい座アルファ流星群の活動については、2001年に3件の輻射点検出があった。同一性の評価からは直接にSW3彗星のダストトレイルとは考えられないものの、何らかの関連はあるかもしれない。
5.2001しし座流星群に向けて
5−1.ライチネン予報に基づく2001年しし座流星群 芹沢寛隆
故高梨雅彰氏が今年のMSSで紹介した題記予測の紹介。アッシャー予測と同じような手法での予測だが、これをHRでなくMRで仮定してみても到底数え切れる出現ではなく、何らかのカウント手法が必要となる。
5−2.マクノート・アッシャー理論としし座流星群 内山茂男
アッシャーとマックノートの理論の復習。彼らは流星群構造の中に、一回の彗星回帰に伴なう流星体の放出から成るトレイルの概念を持ちこみ、その摂動を加味し、かつ長手方向への拡散は光圧によるモデルを組み立て、これらを精査することにより予測している。2000年には彼らの予測とほぼ一致した観測結果が得られている。2001年は複数のトレイルと大きく時間を置かずして遭遇することとなり、或いは複数の輻射点からの流星が同時に見られるかもしれない。またこれに伴なう流星の明るさと数の変化も興味深い。
5−3.しし座流星群ネットワーク 藤由嘉明
レオニード研究会が開催されるなど、今年もしし座流星群に対する迎撃体制が構築されつつある。大きなチャンスを連携を密にしながら生かしたい。
5−4.眼視観測 芹沢寛隆
計数と光度見積もりは同時にはできかねるかもしれないので、ターゲットを明確に分けて観測を行うことがベター。また報告しなければ観測しなかったことと同じであり、ぜひ報告することをお願いしたい。
5−5.写真観測 戸田雅之
今年も痕を単時間露出・望遠で狙うプロジェクトを実施する。ぜひ広い範囲からの協力を願いたい。
5−6.電波観測 小川宏
雨天曇天でもデータを集められるのが電波の大きな強み。今からでも機器の設置は簡単に安価にできるので、ハム電波を利用した観測も進めて欲しい。
5−7.ビデオカメラ観測 志倉
WATECの高感度カメラを家庭用ビデオカメラに記録させる方法はつい最近から始まったものではあるが、今や広く重要な観測として実施されつつある。NAOのプロジェクトの一環としてプロジェクトに加わる希望者があれば貸し出すことができる。
5−8.東経140度連携観測 狭山
オーストラリアへの出張観測も含み東経140度で流星群構造の断面の様相を観測するプロジェクトがある。興味ある形はぜひ参加してください。
5−9.どうなる?2001年のしし座流星群 難波田康治
日本で注目が高まるしし座流星群ではあるが、マスコミへの対応として、ZHRから逆算して10分間に200個〜400個ほどの出現が予測されると説明するのがよいのではないかという提案を行った。
6.事務局交替について 難波田康治
現事務局の学業上の都合により、事務局を芹澤寛隆君へ交代する。11月23日の次回まる東集会で交代を行う。
<<戻る
Homeへ